12月の東京・構造動作トレーニング教室と股関節トレーニングワークショップは、所有感覚、足指、股関節トレーニングの実習を行った。
このところ末節骨のマーキングを必ずおこない所有感覚を高めるようにしている。一見、地味な作業で必要性を感じにくいが丁寧に末節骨を触察し確認することで手指の動きは軽くなり効果は高い。さらに牧神の蹄を使って接触感覚を養うことが理解しやすくなり姿勢を整えやすくなる。身体の末端は意識が薄くなりやすいポイントなので見逃さないように心がけたい。
股関節トレーニングワークショップでは、所有感覚、足指を調整してからロウギアランニングでコーディネイトしてみた。テンポは130で身体の真下に接地することに集中する。15分が経過したらビートを小刻みに刻んで上半身を細分化する。陸上の指導者の方は苦戦していたが、いろいろと気づきがあったようでよかった。
そして、陸上指導者の方から「陸上競技チャンピオンへの道」 パーシー・セルッティ 著の紹介をしていただいた。
「ゆっくりしたテンポでできることのできない選手は、その基本的な身体の動かし方が自然そのままの技術の原則に基づいていないことは明らかだ。・・・(中略)・・・1時間に2マイル程度のゆっくりした速さで走ることのできない選手は、確かに自然な走り方をしていないのであり、その欠点が原因となって将来大きい成功を収めることはまずできないだろう。」
足の接地はそうむずかしいことではないが、音をほとんど立てないように軽くあしを着けるのがよい。べたべたと音を立てて走ると足の正しい引きつけが行われず、必要以上に(エネルギー)を使って走法を下手なものにしてしまう。
この本は1960年に書かれた本で廃版になっているため、私は抜粋していただいたページしか読んでいないが、今もなお新鮮な理論に感銘をうけた。
軽く足を着ける接地から地面反力をじゅうぶんに推進力に変えるためには、下肢のアライメントが整っていなければならない。股関節のトレーニングは、下肢のアライメントを整えた状態で股関節の可動を広げていくことが重要だ。股割りトレーニングでは、背中を丸めないように力みのない姿勢を心がけ、股関節が滑らかに動く下肢のアライメントを探る。さらに股関節の切り返し(ターンオーバー)にキレを出すためには、肩を巻き込まない上肢のアライメントを探り四肢の連動を身につけていく。
個別指導では、身体の真下につま先を突き刺すポジションを探った。自分が思っている身体の真下と実際の真下に感覚のズレがある。普段の日常生活動作から見直していかなければバレエの練習だけでは難しい。