執筆:中村考宏
柔道整復師、鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師。2020年三重県桑名市多度町にえにし治療院を開院。股割り歴20年、MATAWARI JAPAN 代表。パーソナルトレーニング。著書「骨盤おこし」で体が目覚める(春秋社)、趾でカラダが変わる(日貿出版社)、他多数。メディア「anan」「クロワッサン」「Tarzan」などで「骨盤おこし」「足指」を紹介。NHKテレビでコロナ禍の運動不足解消エクササイズを紹介。プロフィール詳細、ユーチューブチャンネル、アメーバブログ
10月の構造動作トレーニング・東京教室はTakahiroラボのクラスに参加された方の中にボブ・アンダーソン著翻訳版「STRETCHING」の本を持参された方がいました。その方はストレッチ否定派でしたが、実際に著者の本を読んだことがなかったので、それではダメだ、と考え購入されたとのことでした。私も「STRETCHING」の本をもっていますが英語版なので、翻訳版ははじめてみました。
私の本は十数年前の東京・股割り教室に参加されていた方から譲り受けたものです。この本を譲り受けた経緯は、私がはじめての著書を書くことになった際に、ボブ・アンダーソン「STRETCHING」と吉松俊一著「ザ・ストレッチング」の2冊の本を、参考にしてください、とその方から手渡されました。そして、著者である吉松さんが日本にストレッチを普及させた方だと教えて下さいました。
私が、どうしてストレッチに詳しいのですか、と伺うと、当時、ストレッチの普及に尽力されたそうなのです。続けて、それなのに、どうして股割り教室に参加されるのですか、と不思議に思い伺うと、「ストレッチは当時の流行ですよ!」と聞いて、私は耳を疑った記憶があります。
著者のボブ・アンダーソンさんはアメリカの体育教師で、体が硬いことに悩んでいました。そこで、ヨガのポーズを取り入れ運動性をプラスしてまとめ上げたのがストレッチングということです。
1975年にボブ・アンダーソン著「STRETCHING」が出版されアメリカで流行りました。そして、1981年に吉松俊一著「ザ・ストレッチング」が出版され日本に普及し、現在に至ります。当時は運動前にストレッチをおこなうことで、その後の練習での怪我を予防でき、パフォーマンスを発揮できる、といわれていましたが、その後、運動前の静的ストレッチはパフォーマンスを低下させ、逆に怪我を増やす、ということがわかってきました。
私が初めての著書を書いてから、その後、「動きのフィジカルトレーニング」を出版した頃だったと思いますが、ハンマー投げの室伏重信先生と室伏浩治先生にお会いする機会がありました。まだ、当時はストレッチングは主流でしたので、私がストレッチをしないという考えに、浩治先生が怪訝な顔をされたことが印象深く記憶に残っています。現在でも一般の方たちは普通にストレッチングに親しんでいます。ストレッチングをおこなう目的を、運動経験の少ない方や、ご高齢の方の軽い体操くらいにとらえておいた方が良いと思います。
逆にパフォーマンスを向上させる目的の方は、ストレッチを取り入れない方がよいと思います。一般の方は、あるポーズをしたときに筋肉がつっぱるから、筋肉が硬い、と考えストレッチをします。しかし、治療師の現場では、筋肉がつっぱる原因を、細かに検査して、その原因に対してアプローチします。ですから、単純につっぱり感があるからストレッチをするということにはなりません。筋肉がつっぱるというのは、そのほとんどが拮抗筋です。これは主動作筋と拮抗筋の関係性が成立していない、というところから考えなければいけません。拮抗筋をストレッチするばかりではパフォーマンスが向上していかないのは当然のことです。
体の動き、動作というのは、筋肉だけで成り立っているものではありません。骨格位置、関節運動の方向、筋肉の作用、固有感覚、重心移動、そして、神経系統が構築されて動作が出来上がります。運動前の入念なストレッチには注意が必要です!
第3日曜日(+前日の土曜日)
運動の質を根本から変える構造動作理論に基づくトレーニングを指導します。
当院では、体の不調や故障を改善するための治療、健康増進やパフォーマンスアップのための施術をしています。ひとりひとりに最善のサポートができるようこころがけていますので、症状や気になることをできる限りお知らせください。また、遠方から来院される方や集中的にみてほしい方には個人指導・パーソナルトレーニングをしています。小学生からシニア、アマチュアからプロスポーツ選手までサポートさせていただいています。ご希望に応じて、再発予防、健康増進、パフォーマンスアップのトレーニングを指導しています。トレーニングは、ひとそれぞれ体の状態が違いますので、体の状態に必用な内容を指導しています。
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