8月の構造動作トレーニング・東京教室は、お盆と重なったものの、コロナ禍でも、身体を整えて、健康維持、パフォーマンスアップを計る目的でいつもと変わらない参加があった。
骨盤おこしの講座のときに、「大和座り」という座り方をしている珍しい仏像の話題が上がった。中島先生の説明では、「大和座り」は正座をするときに足首を真っ直ぐに伸ばすそうだ。画像検索をしてみると、正座で上体を少し前傾した仏像だった。骨盤おこしの姿勢は、次の動作へただちに移動できる機能的な姿勢を求めるので少し状態が前に傾く、「大和座り」と似ている。
月刊ダンスビュウの中井理惠先生のコラムが「ロウギアランニング」なので、いつものラボならおそらくテンポについて検討するのだが、信田さんの希望でグリップについて検討することになった。
グリップについては6月のラボで検討している。今回は手の機能状態をチェックしてから、杖に手をフィットさせてみた。
バットやクラブ、ラケットなどの道具を扱うときに、手首、肘、肩、首、顎などに力みが入って、スムーズに道具を扱えない場合は、手の機能から見直してみるとよい。
噛み合わせが悪い人は、顎、肩、肘、手首などに力みが入りやすいので、手の機能の見直しに加え、全身の機能状態を整える必要がある。
深部感覚の講座は、軸足を安定させるために長軸方向の重さを加えた。動作をする際の原則は体幹と接地圧のキープだ。頭と体幹の真っ直ぐなラインをキープして、身体の真下に接地する。その際にフラット接地で軸足の支持を安定させることにより、股関節や肩関節の回転運動が円滑になる。軸足の長軸方向の感覚は、足の支持性を安定させるのに重要だ。
フラット接地で前進するワークをおこなったが、非常に難しかった。擦り足のように足底を摩擦しながら接地してしまう人、踵から接地をしてしまう人、母趾球で接地をしてしまう人など。当然、足指トレーニングで接地力を高めることが大切だが、体幹と接地圧をキープするという動作の原則を身につけていかなければならない。
股割り講座は、股関節の屈曲運動を丁寧におこなった。あの清野さんが、初参加者をリードしながら練習する姿を見て感動。最近は、毎日、牧神の蹄に馴染みながら股関節の屈曲運動に取り組んでいるそうなので、その成果が確実にでているようだ。
股割りの重心移動は、実際に動作に直結する股割りができているかチェックするためにおこなう。頭と体幹の真っ直ぐなラインを保って、重心を前に移動し、手で支持する。
これが、難しい!手の力に任せると肩が上がってしまう人が多い。頭と体幹をキープし、腕の長軸方向の感覚で身体のバランスを取る。両手支持はわりとやりやすいが、片手は難しい。
股割りの開脚前屈は、頭体幹キープ、立てた爪先キープ。
骨盤をコンパクトに回転させ下腹を床につける。頭体幹キープ、立てた爪先キープ。おでこや胸を床にべったりつけても、下腹が床につかない人が多い。下腹が床につかない股割りは、腰が入らない動作といえる。パフォーマンスアップを目的にしている人は、動作の原則に基づき、正確に股割りを鍛練することが大切だ。
定期的に施術を受けている人は、自分に必要な身体の機能回復を怠ってはいけない。コロナ禍や熱中症で大変な時期だが、心身のリハビリに努めてほしい。