9/19-20 構造動作トレーニング・東京教室

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【祝】また割りロールオーバー・開脚前屈脚抜き

構造動作トレーニング・東京教室の骨盤おこしトレーニングで嬉しいことがあった。それは、股割りの開脚前屈で次の段階へステップアップした参加者があったこと。



股割りの開脚前屈は、恥骨結節を床につけた状態で、股関節の外旋、外転、屈曲させ、開脚前屈をする。次の段階とは、開脚前屈の状態から、股関節を内旋、内転、伸展に切り替えるコントロールをする。構造動作トレーニングの股割りでは、この切り替えしをロールオーバーという。



ロールオーバーをコントロールするまでには、股関節の外旋をキープして恥骨結節を床につけることが必要だ。



彼の場合は、8年くらい前に大阪のセミナーに参加したのが始まりで、コツコツしかし着実に実力をつけていったと思う、昨年、治療院でみたときは、股関節の外旋をキープできるようになっていたので、そろそろロールオーバーにステップアップできる予感があった。そして今回、股関節を切り替える寸前のところで躊躇してしまう、というのを何度か繰り返していたが、それを皆で見守り応援した。周りの応援は力になるもので見事に乗り越えることができた。身体操作としては難易度が高いが、動作の世界観が変わるので身体、運動を追及するものとしては、更にその先へステップアップしてほしいと思う。

重心移動を円滑に落ちること(フォール)

9月の構造動作トレーニング・東京教室のTakahiroラボは、フォール(fall:落下、落ちること)がテーマだった。私は、運動において重心移動を円滑におこなうために落ちること(フォール)が、重力に任せて、あるいは、重力に逆らわない効率のよい運動を実現するための原理であると考えている。



構造動作トレーニングのスクワットは、上半身を落下させてフルスクワットのポジションになり、床からの反力を受け取って立位ポジションにもどる。参考:「しゃがむ力(Japanese Squat)」(晶文社)

歩行動作についても遊脚が落下するようにする。そうすることで、身体の真下に接地し、安定した軸足で上半身を支えることができる。さらに反対脚を速やかに出すことができる。

動ける人にとっては、あたり前にできていることだが、動けない人にとってはフォール(fall:落下、落ちること)の実感がないので、骨の位置、関節の運動方向、筋肉の作用、重心移動、など総合的に身に付け実感を得る必要がある。

フルスクワットができない段階では、上半身をフォールするのはむずかしい。また、遊脚をフォールしているつもりでも、接地と下肢のアライメントがズレていると故障の原因になる。走ることに優れている人が、故障する場合は、あたりまえにフォールができていても、何かの拍子に接地と下肢のアライメントがズレたときに関節や筋肉に負荷をかけてしまっていることが多い。

まずは、接地と下腿のアライメントが通った状態を身に付けることが先決だ。

つづいて、フォールから直膝へ下肢のアライメントを通していく。

身体の圧倒的基本、構造動作トレーニング

構造動作トレーニング・東京教室は、2007年から毎月開催し13年になる。世話役の中島章夫先生には大変お世話になっている。その時々で、名称を改め、講座内容など話し合いながら、常にアップデートを心がけ現在のスタイルになっている。唯一、コロナ禍で4〜5月を中止にしたのは心残りだが、時代の変わり目で私自身ステップアップすることができたので、今後の東京教室にも還元していきたいと思う。



9月の講座については、ロールオーバーとフォールの記事を書いたが、骨盤おこし、所有感覚、足指、股割りについても書きたいことが多い。構造動作トレーニングでおこなうことは、人の身体の構造を適切な位置に整え、身体の機能を十分に発揮できるようにする、至って基本的なことだ。しかし、私を含め、ほとんどの人が身体の機能を十分に発揮できず苦戦している。基本的という言葉を使ったが、私の中では圧倒的基本だと思っている。この圧倒的基本は、知識に加え実感を得ることができなければ身につかない。すぐに成果を得たい人には、向かないだろう。そのかわり自身の内観力を高めようとしている人には効果的だと思う。

自分の身体で実感していないことは、身体の不思議ということになる。身体に対する疑問は、解決(実感)して解消される。私もわからないことばかりだが、一つのことを深く追及していくことで、身体を実感し、身体の不思議が解消されることも増えてきた。とにかく、指先から頭の天辺まで身体丸ごと知り尽くして実感できるようにことが大切だと思う。

股割りや骨盤おこしができない場合は、身体が硬いからと、考えている人が多い。私は股割りや骨盤おこしなどの基本的な身体の動きができない場合は、自分の身体をコントロールできていない、と考える。そして、コントロールできない理由を考え、解決(実感)できる方向を目指すようにしている。

身体をコントロールするためには所有感覚(深部感覚)が必要。所有感覚とは、無意識の感覚の流れのこと。自分が所有してない身体のパーツをコントロールすることはできないのだ。参考:深部感覚(晶文社)

身体には、感覚の流れ、筋肉の流れ、気の流れなど、様々な流れがある。その流れを知り、身体をコントロールできるようにしてくのには、足元を安定させて身体と向きあっていくことが重要だ。私自身も足元を安定させるために、ずいぶん苦戦してきたが、改めて指の一本一本が機能する状態にすることが大切だと思い知る。