10/17-18 東京・構造動作トレーニング

10/17-18 東京・構造動作トレーニング

10/17-18 東京・構造動作トレーニング

腕のアライメントを整えて肩関節で自由に表現する

10月の構造動作トレーニング・東京教室のTakahiroラボは、上肢帯の運動について検討、実習した。

手は細かな作業から力仕事まで多様な機能を発揮する。また、表情と同様にジェスチャーで心に思うこと、感じることを表現することができる。上肢帯は、胸鎖関節で体幹と接続する。手は胸から動かすことができる状態にしたい。



昨年、鎖骨骨折をした参加者の肩関節の動きをみてみると、鎖骨をプレートで固定てある箇所に付着する筋肉が委縮していた。そのため、肩関節の内旋運動の際、代償運動をおこなっており、上腕骨を軸とする回旋運動ができなくなっていた。また、他の参加者も上腕骨を軸とする回旋運動をおこなっているつもりでも、軸がズレている人がほとんどで、回旋に作用する筋肉の作用がみられなかった。

大胸筋の作用は肩関節を内旋する。また、吸息時の補助筋としての役割があり、上腕骨の軸がズレている人は呼吸が浅い傾向にある。

上腕骨の軸がズレる原因は、筋肉の癒着、前腕の軸のズレ、手首の捻じれなどが、考えられる。肩関節の可動域が少ない場合や肩の故障が治らない場合は、上腕骨の軸を修正することが大切だ。

爪先立ちは中足骨を真っ直ぐに足関節底背屈

所有感覚メソッドは、足関節の底背屈運動を実習した。



足関節の底背屈の可動域は、膝関節を曲げた肢位で、腓骨への垂直線(基本軸)、第5中足骨(移動軸)にして測定する。参考可動域は、底屈45度、背屈20度となっている。足首が硬い人は基本軸と移動軸がズレている傾向にある。



基本軸と移動軸のズレが生じるのは、足関節の底背屈の際に回内外、外反、内反が加わるためだと考えられる。トレーニングでこれらを修正する際に、回内外、外反、内反が加わらない、足関節底背屈の指標を示すことが難しい。だが、一つの指標として、足関節とは距腿関節のことを言う。足関節の底背屈は腓骨と脛骨を軸にして第1〜3中足骨を真っ直ぐ動かすことが大切だ。爪先立ちで、床を押せない、床を捉えることができない場合は、中足骨を真っ直ぐ動かせていないと考えられる。



足の施術をしていて気づくことがある。それは、皮下層で筋膜などの軟部組織が癒着していることが多い。これらには適切な処置が必要だが、まずは足指の深部感覚を高め、足関節の底背屈の正確な運動方向へ向かう意識が大切だ。

鼠径部のつまりと腸腰筋のメカニズムを整えて股関節を円滑に

股割り入門は、股関節の屈曲運動を実習した。



股割りは、股関節の外旋、外転で開脚をした姿勢から、股関節を屈曲して体幹を前屈する基本動作だ。体幹を前屈する際は、腸腰筋の作用が重要になる。股割りが上手くできない場合は、この腸腰筋を作用させれてない。腸腰筋は、大腰筋、腸骨筋、小腰筋からなる。腸腰筋を作用させれていない場合は、鼠径部につまった感じがある、また、股割りで体幹を前屈する際に背中(腰椎・胸椎)が曲がってしまう、あるいは伸びてしまう。股割りは、体幹をキープして股関節の屈曲運動をできるようにしていくトレーニングなのだ。


▲解剖学アトラス訳=越智淳三

腸腰筋は腰神経叢が支配する。腰神経叢は、脊髄神経から骨盤、性器、臀部、下肢へつながる神経で、この神経から閉鎖神経、大腿神経、坐骨神経などが出る。閉鎖神経は内転筋群を支配、大腿神経は大腿の伸筋群を支配、坐骨神経は腓骨神経、脛骨神経からなり大腿二頭筋、下腿の筋群を支配する。つまり、腸腰筋を作用させるためには下肢の神経の流れを良好にする必要がある。

腸腰筋は大腿骨の大転子に付着する。下肢の神経の流れが良好な状態は大腿三角で大腿神経が流れる状態になっている。大腿三角は、鼠径靭帯、縫工筋、長内転筋で囲まれている。鼠径部につまりを感じる場合は、大腿三角が明瞭でないことが多い。

下肢の神経の流れは足の爪先までを良好にする。足指の感覚や運動が低下している場合は、腓骨神経や脛骨神経の流れが滞っているので、腸腰筋を作用させることは難しい。股関節の屈曲運動をおこなうとき、体幹の前屈にばかり気を取られて足の爪先が疎かになっていることが多い。股割りは、足の爪先から体幹までの神経や筋肉の流れを動かすことが大切だ。



股関節の施術をしていて気づくことは、足元で捻じれをつくって下肢の神経の流れを滞らせていることが多いこと。足指、足関節の底背屈の運動は、真っ直ぐな関節の運動方向を身に付けたい。

骨盤のニュートラルポジションと膝の故障

骨盤おこしは、骨盤のニュートラルポジションを実習した。



骨盤のニュートラルポジションは、トライアングルベース(恥骨結節と左右の坐骨結節)が座面に接触する。この三角形の広い面(トライアングルベース)が座面に接触することによって、特殊な形状をした骨盤がもっとも強度と安定を発揮する。また、股関節がいつでも動き出し可能であるから、ただちに次の動作へ移動することが可能でもある。恥骨結節を指標にし、座面に恥骨を接触させると、後に坐骨結節を確認することができる。骨盤を後傾させたポジションが身についてしまっている人は、恥骨結節の感覚が低下していることが多く、骨盤をニュートラルポジションにするまでに苦労している。



骨盤の前傾は、骨盤のニュートラルポジションから骨盤を屈曲すること。骨盤を前傾するには、股関節を屈曲することができなければならない。



膝の施術をしていて気づくことがある。手術をしなければいけないほどの膝を故障する場合は、骨盤の後傾を身についていることが多い。骨盤を後傾にしていると、股関節にロックがかかるので、膝が代償するのだと考えられる。特に、その状態でランニグをおこなうと膝への負荷が大きい。牧神の蹄を4つ並べて、足と骨盤のニュートラルポジションをつなげていくとよい。また、内臓の重みを実感して、下半身を安定させるとよい。