2021/1/16-17 構造動作トレーニング・東京教室

2021/1/16-17 構造動作トレーニング・東京教室

運動と感覚が循環する動作方法

1月の構造動作トレーニング・東京教室は、Takahiroラボ、深部感覚、股割り、骨盤おこしの4講座をおこなった。緊急事態宣言が発令された中、各少人数の会になりソーシャルディスタンスを十分に保つことができた。室内は窓を開放していることで、少々寒く感じることもあったが、運動をすることで解消された。

今回は、少人数ということもあり、参加者の興味を聞きながら、運動と感覚の循環について整理しつつ、各講座をすすめる形になり、私にとっても貴重な会となった。

構造動作トレーニングでは、運動と感覚が循環する動作をできるようにしたい。循環する動作は、運動することにより、身体にはその動作の感覚が残る、その感覚のフィードバックにより、運動を再現することができる。しかし、身体に感覚を残す運動をすることは以外に難しい。身体に感覚を残すためには、骨格の位置、関節運動の方向、適切な筋肉の作用が欠かせない。そして、身体に感覚を残し動作することで、その運動を身に付けることができる。

構造動作トレーニングは、運動と感覚が循環する回路を構築することを目的としている。また、動作の流れの中にも運動と感覚の循環をもたらしたい。感覚というのは、自然エネルギーを生み出す仕組みであり、運動と感覚が循環する動作を身に付けることにより、効率の良い動作を実現することができる。


Takahiroラボ

Takahiroラボは、緊急事態宣言が発令され、運動不足気味だという参加者の声があった。私は、医業類似行為の資格者としてコロナ禍における参加者の健康維持促進に努めている。コロナ禍は、気持ちが萎縮しやすい状況で、なおかつ自粛生活が伴うことによって身体の運動と感覚の循環が滞り、気持ちと身体の不調をきたす悪循環に陥りやすい。悪循環を解消するためには、身体に感覚を残すことができる運動が必要だ。質の高い運動を心がけているのに、身体に感覚が残らない場合は、運動を起こして感覚を残すための何らかの機能が動く状態にないことが考えられる。このような無意識でおきている身体の状態に対しては、施術で調整する。セルフケアは、確実に意識できることをトレーニングすることが大切だ。また、外の刺激が身体を活性化する。外の刺激は公園のような人工的な刺激よりは、山の自然な刺激の方が効果的だ。

深部感覚

深部感覚の講座は、感覚の自然エネルギーを生み出す仕組みを実習した。例えば、優れた走動作をする黒人のトップランナーは、走動作の中に運動と感覚が循環している。一般ランナーとの違いは、支持脚が安定して体幹を支えるための接地ポイントが特徴的だ。トップランナーの接地ポイントは、自然エネルギーを生み出す仕組みの手掛かりになる。しかし、一般ランナーやほとんどの人は、接地ポイント以前に足の機能状態がそのレベルに達していない。まずは、足関節底背屈の運動方向を整え、下腿の筋肉が作用する足の状態にする。そして、下腿のfallを身に付ける。ランナーでなくとも、日常生活動作において運動と感覚が循環する動作を身に付けることは、運動の質が高まり快適な動作が実現できる。


股割り

股割りの講座は、運動と感覚の理解を深める目的で、参加者に牧神の蹄を使って運動と感覚を説明してもらった。牧神の蹄を4つならべて足をブロックの形にフィットさせることは感覚、牧神の蹄を積み下ろしすることは運動ということになる。ただし、どのような牧神の蹄の使い方をしてもブロックの縁に足指かける感覚をともなうので、運動と感覚が循環するトレーニングになる。自粛期間中は足の感覚が低下しやすいので常に足元に置いておきたい。



股割り動作をおこなうまでには、足指、足関節の底背屈、支持脚を整え、股関節を動かしやすい条件づくりに心がけた。参加者の股関節屈曲運動をみていたが、支持脚が安定しているため、リラックスをして体幹を保持できており、股関節の動きが滑らかだった。股割り動作においても左右の支持脚を安定させることが大切だ。股割り動作の中にも運動と感覚の循環がある。股割りは、運動と感覚が循環する回路を構築するためのトレーニングとして優れている。

骨盤おこし

骨盤おこし講座は、運動不足気味だというシニアの参加者の様子をみて、牧神の蹄に乗って身体を整えることからスタートしたが、後重心が気になったので壁運動を追加しておこなった。そして、参加者の姿勢がある程度整ったのをみて、座る立つ動作を追及した。



座る立つ動作を繰り返しおこない、円滑な動作をおこないたいが、体幹を保持することが難しい。姿勢の保持は脊柱起立筋が作用するもの。実は参加者の全員の脊柱起立筋が作用していない。脊柱起立筋が作用している状態は、腰椎の表面で腱が立っているような触感がある。私の腰を触った参加者は驚いていたが、体幹の筋肉が作用する状態にすることが大切だ。寝ても腰の緊張がとれない、という参加者の希望で、私が仰向けに寝たときの脊柱起立筋を確認した。やはり、寝ているときは作用しない。



今年もよろしくお願いいたします!