3月の東京・構造動作トレーニングのTakahiroラボは、前回の伸張メカニズムのつづきで、地面反力を最大限に生かすためのメカニズムを実習した。
地面反力を最大限に生かすためには、足関節の深い屈曲で伸張反射が発動する足の状態にあり、地面から受け取った反力が足のアーチ構造から跳躍筋に伝わる仕組みを得ることが必要だ。
地面反力を最大限に生かせる人というのは、各競技においてパフォーマンスのクオリティーが高い。
地面から受け取った反力が足のアーチ構造から跳躍筋に伝わるのには、脚は直足、直膝の状態があり、筋肉の起始停止部が整っていなければならない。
東京・構造動作トレーニングの深部感覚は、 パフォーマンスのクオリティー を高めるための足関節、膝関節、股関節が連動する運動方向を実習した。
自分が無意識におこなっている各関節の関節運動は正しいのか?膝の手術をして痛みが治まったとしても、再び膝が痛くなる、ということがある。これは、手術前と手術後の運動パターンが修正されていないことが考えられる。運動パターンを修正するためには、各関節の関節運動の方向を連動させることが必要だ。
パフォーマンスのクオリティー を高めるためには、各関節の連動をより円滑におこなえる状態にしていかなければならない。
各関節の連動をより円滑にするためには、下肢でいえば、股関節(ヒップジョイント)、膝関節、脛腓関節、距腿関節、足根間関節、足根中足関節、中足指節間関節、趾節間関節の運動方向を揃え、その運動に作用する筋肉を万全にする。
筋肉が思うように作用しない場合は、骨の配列が崩れている。筋肉の収縮率が高まる骨の配列に整えていくことが必要だ。
下肢の複数の各関節の連動を揃えるには、指標を備えることが大切だ。構造動作トレーニングでは、牧神の蹄を4個使って趾節間関節を指標にする。
各関節の連動をより円滑におこなえるようにするためには、例えば、足関節の底屈をキープして、牧神の蹄に足指をひっかける。
できる人は、足関節の底屈キープと股関節を連動する。シンプルな運動だが、苦戦している人が多い。深部感覚は無意識の感覚の流れ。この自覚できない感覚をいかにして攻略するのか。私は指標を備えることだと考えている。
東京・股割り教室が18時にスタートし、参加者と牧神の蹄に乗ってウォーミングアップをしていると、教授の携帯のアラームが鳴る。宮城県で震度5の地震が発生したという。しばらくすると再びアラームが鳴る、こちらでも震度3の地震がくるらしい。会場は2階だったので、震度3とはいへかなりの揺れだった。私たちは牧神の蹄に乗りながら地震を体験するという、初めての経験をしたのだった。
開脚をして前屈をするときに、背中が丸まったり、立てた爪先が倒れてしまう場合は、四肢と体幹が連動していない。股割りトレーニングは、四肢と体幹が連動する身体の仕組みを構築する。今回は、牧神の蹄に乗って足の指先の感覚を高め、足の指先と足関節の運動をつなげるトレーニングにほとんどの時間を費やした。そして、上腕と体幹をキープして腕橈関節の可動域を広げ、四肢と体幹の連動性に集中した。
マウント富士のポーズは、四肢と体幹のポジションをまとめるポーズとして有用だ。
腕橈関節から前腕を回内する。回内をするときに手首から前腕を返してしまいがちだが、これは背中が丸まる動作パターンにつながるので注意。
立てた爪先が倒れてしまう場合は、足の指先に意識が通っていないか、足関節の運動に作用する筋肉が使えないために、股関節が内旋してしまう。下肢が体幹と連動できる機能状態にしたい。
東京・構造動作トレーニングの骨盤おこしは、自由度の高い股関節を動作に生かすための骨格ポジションを下肢から上肢の順に実習した。
骨盤はトライアングルベースを指標にし、骨格ポジションのスタート位置を決定する。骨盤を保持するためには、足元の土台を安定させ、下肢骨を正しく配列することが大切だ。
大腿骨大転子を股関節の指標にし、立位、座位など、どのような姿勢でも確実に確認できるようにする。
座位から立位へ、立位から座位へ移るときは、直ちに次の動作へ移ることができる、骨格ポジション(姿勢)でおこないたい。直ちに次の動作へ移るためには、効率よく、最短の重心移動の軌道を描かなければならない。これは構造動作トレーニングに基づくスクワット(ハーフスクワット)の動作である。動作をおこなうときは、足関節、膝関節、股関節を連動させたい。股関節や足関節の動きが少なかったり、膝関節に動作を頼り過ぎていたりして、重心移動の軌道が定まらない。スクワットはシンプルだが、難しい動作なので、骨格ポジションを構築しつつ、最短の重心移動の軌道を探っていきたい。
立つ、座るという、基本動作でも、その質をみていくと、パフォーマンスのクオリティーにつながっていることがわかる。スポーツ競技で頑張っている選手が、日常の基本動作を疎かにしてたとしたら本末転倒だということに気づかされる。スポーツ競技のトレーニングばかりでなく、日常の姿勢や基本動作にも目を向けたいものだ。
今回は雲がかかって富士山が見えなかったが、桜がちらほら開花していた。