7/17-18 構造動作トレーニング・東京教室

7/17-18 構造動作トレーニング・東京教室

7/17-18 構造動作トレーニング・東京教室

Takahiroラボ

東京の講座は、まるっと13年経って14年目。初期メンバーは、13年の歳を重ねているが、変わらず元気だ。また、顔ぶれはいれかわるが。年々洗練されていく構造動作トレーニングの良質な刺激の入力を受けて、身体が喜びを感じている。

7月の構造動作トレーニング・東京教室は、【技アリ企画】構造動作トレーニング1  「Takahiro ラボ」、【技アリ企画】構造動作トレーニング2  「指先から身体を整える ── 機能回復のための所有感覚メソッド 」、【技アリ企画】構造動作トレーニング3  「“超”スムーズな動きを作る ? 股割り入門教室」、【技アリ企画】構造動作トレーニング4  「『骨盤おこしトレーニング』── 快適動作のための股関節回転講座」の4講座をおこなった。



月刊ダンスビュウ8月号、中井理惠のアルーナス組のダンスを体現するために「重心移動に役立つための腕と手指!」、中井理惠先生からコラムの解説があった。上級者向けの手を合わせるときの皮膚の使い方から初歩的な重心移動について、腕の表現が動作に影響するということだった。

この日、シニアの方が参加されていた。いつもは日曜日の骨盤おこし講座に参加するのだが、その日は都合が悪くなったということで、はじめてのラボ体験をした。いつもは端の方で静かに講座を受講されているので、あまり話をしたことがなかったが、講座が始まる前に参加理由等詳しく話をうかがうことができた。そもそもの参加理由は膝が痛くて階段の登りが大変だったが、講座に参加するように楽になってきたとのこと。毎回、牧神の蹄に乗る様子を観てきて、足の血行が良くなってきた印象だった。そして、今、困っていくことは尋ねてみると、しゃがめないとのこと。読書が趣味で、自宅の書棚や図書館の書棚の下の本を取れないので、図書館では係りの人にお願いしているそうだ。深くしゃがむ動作は、加齢の問題だと思ってあきらめていた。また、退職をする前に健康診断で立位体前屈が硬くなっていたことが心残りだという。

深くしゃがむと、膝が痛い。構造動作トレーニングに基づくスクワットは、運動をする際の重心移動の軌道が円滑な波形を描くことが重要だ。

しゃがめない、というのは、加齢ばかりが原因ではない。現に小中高の学生さんたちでも、しゃがめない人が多い。要は、現代では日常生活にない動作なのだ、単に動作の仕方がわからないだけなので、正しい動作を身に付けることで、できるようになる。これで書棚の下の段の本を取ることができると、希望がもてたとのこと。



立位体前屈についても、構造動作トレーニングに基づく動作は、運動をする際の重心移動の軌道が円滑な波形を描くことが重要だ。

重心は、骨格の位置で決定される。動作をする際、重心移動を円滑におこなうことができる骨格位置が望ましい。

深部感覚

構造動作トレーニング・東京教室「 指先から身体を整える ── 機能回復のための所有感覚メソッド 」は、深部感覚ルーティーンを実習した。

深部感覚は、皮膚や粘膜の表面ではなく、それより深部に存在する感筋・腱・関節・骨膜などにある受容器によって起こる感覚で、固有感覚ともいわれる。位置覚、運動覚、重量覚などを感知する感覚。人は深部感覚によって、目を閉じていても手の位置や曲がりぐあい、その動きを感じることができる。

牧神の蹄を使って、感覚と運動の仕組みを理解し、深部感覚が循環する条件を整える。



今回は、私も参加者と組んで深部感覚ルーティーンを一通り体験する。ペアワークは、講座でもないと、なかなか体験する機会がないので、よかったと思う。ペアワークは、重さをかりる、重さをかす、という関係で成り立つ。この関係を理解している人とでなければ成り立たないのだ。



足の深部感覚ルーティーンは、脛骨、腓骨、足根骨、趾骨に対してアプローチする。

ペアワークでは、踵骨、距骨、舟状骨、立方骨、楔状骨、趾骨に対してアプローチする。ひとりで、おこなうワークとの違いは、身体全体を通して足の変化を味わうことができること。



それぞれのアプローチで、感覚の変化を確認する。感覚の変化を確認し、その変化を言葉で表現する。自分にとって良い感覚入力、運動出力をし、良質な変化を繰り返し、身体に重ねることで、身体を良好な状態へ変化させることができる。

ひと通り、ペアワークを体験して、身体がまとまる良い感覚があった。はじめて体験された方も、施術による外部刺激と違った、深部感覚の味わいができたようで、良かったと思う。

股割り

7月の構造動作トレーニング・東京教室「 “超”スムーズな動きを作る ? 股割り入門教室 」は、股関節の屈曲運動を実習した。脚を高く上げる、脚を大きく広げる、など股関節の運動がやわらかく見える人は多いが、実際に股関節をコントロールできている人との違いが難しいようだ。股関節をコントロールできているかを検査するのには、股関節の屈曲運動をしてみる。



股関節の運動がやわらかく見えるが、股関節をコントロールできていない場合は、身体を故障する確率が高い。特にバレエダンスのような、股関節の可動域を大きく使う種目の場合は、その傾向がある。股関節が硬い人は、とりあえず大きな開脚ができればよい、と考えがちだが、筋肉が作用していない股関節のやわらかさは、コントロールができず実戦向きでないということを理解したい。



股関節に作用する筋肉が働いていない場合は、お尻や太ももの筋肉に弾力性、張りがない。それから、ヒップジョイントに位置するお尻のくぼみを確認できない。股関節の屈曲運動をおこなうときは、骨盤のトライアングルベースをセットしたポジションからスタートする。



股関節屈曲運動は、脚を固定し、股関節から骨盤、体幹を屈曲する。これはシンプルな運動なのだが、難易度が高い。股関節屈曲運動の難易度を高くしている理由として、腰椎をメインに動作をおこなってしまうことや、脚を固定することができず大腿を内旋させてしまうことがある。



股割りは、股関節を外旋、外転で開脚固定し、股関節の屈曲運動をする。股関節に作用する筋肉についての理解がないまま、力を抜いて開脚可動域を拡げてしまった人が多い。筋肉は収縮をすることで力を発揮し、関節を動かす仕組みになっている。まずは、股関節の屈曲運動を身体に身に付け、股関節をコントロールできるようにしていくことが大切だ。

骨盤おこし

7月の構造動作トレーニング・東京教室 「『骨盤おこしトレーニング』── 快適動作のための股関節回転講座」は、骨盤をおこすために必要な骨指標の確認、上肢の運動方向、全身のまとまりについて実習した。

講座が始まる前に、中島章夫先生から膝痛があり、また呼吸器が弱くマスクを着用できない参加者があるので、端の方で受講してもらいます、との話があった。その方には、いすに座って牧神の蹄をやってもらっていたが、下肢のアライメントが気になったので、少しアライメントを調整してみると、膝が痛がくないとのことだったので、無理なく受講できてよかった。



骨盤をおこした位置は、恥骨結節、坐骨結節から成るトライアングルベースを座面にし、坐骨結節が後方で確認できる。この位置が、股関節の自由度の高まる位置になる。股関節の位置は、大腿骨の大転子を指標にする。大腿骨の大転子を確認しようとしても骨に雑味が乗っていてクリアに触れる人が少ない。これは、股関節をコントロールできるようになると、クリアになるので、大転子の確認は股関節の状態を把握することにもなる。

手指をコントロールすることは思っている以上にできない、指を曲げる、指をそろえる、ということが難しいのだ。普段の動作では、間に合い、手指を正しく使わなければいけないことはほぼないので、思いもよらない。手指末端から手指関節、手根関節、橈骨手根関節、橈尺関節、腕橈関節、肩甲上腕関節、肩鎖関節、胸鎖関節、など、上肢の関節運動の正しい方向を身に付けたい。



巻肩、いかり型、肩関節周辺の筋肉が発達している場合など、上肢を細分化して動かすことが難しい。手指末端から、関節運動、筋肉の作用など、上肢の構造、仕組みを見直すことが大切だ。

下肢骨を構成する骨は、寛骨、大腿骨、下腿骨、足骨。骨盤を構成する骨は、寛骨、仙骨、尾骨。腸骨稜、上前腸骨棘、上後腸骨棘を指標にして、下肢の安定を実感し、体幹、頭蓋骨を無理なく収める。



全身のありようと向き合い、上肢、下肢、骨盤、体幹、頭蓋骨のつながり、まとまり、を身体に見出し、重心移動を円滑におこなう。