2022年1月の構造動作トレーニング・東京教室のTakahiroラボは、160テンポのロウギアランニグを実習した。年末のラボでは150テンポのロウギアランニングを実習したが、走り慣れていない参加者には難しかったことを踏まえ、170〜160テンポを探ってみた。今回の参加者は160テンポが走りやすい印象だった。
走り慣れていない人は、走る感覚が体にない。足の裏で床をタップしてリズムを取る感覚で走る。また、両足の裏で床をタップしてリズムを取る感覚でジャンプする。走る感覚がわからなくなってきたらジャンプを入れて床反力を受け取る感覚を確かめて、ロウギアランニングを実習した。
走り慣れている人は、足で走らないようにする。体の真下に接地し床反力を受け取って走る感覚を養うことが大切だ。そして、20〜30分ぐらいで走動作が体に馴染んでくると、力感が消えるので、自動的に起こる歩く動作の感覚を味わう。歩く動作というのは方法ではなく、体に備わっている動作だということが実感できる。
ロウギアランニングは、単に拍子に合わせると枠にはまった不自由な体の感覚なのだが、16分音符で拍子を刻むと体が自由に動き出すような感覚になる。
1月の構造動作トレーニング・東京教室の深部感覚(所有感覚)メソッドは、走る動作に必要な運動の基礎感覚を養うための実習をした。講座に参加される方は健康のためのランニング、トレイルランニング、42.195qのフルマラソン、100〜540qのウルトラマラソン、アドベンチャーレースなど、様々な目的で走っている。構造動作トレーニングでは、陸上競技のランニングの基礎、その元にある運動の基礎をトレーニングする。その運動の基礎が低下しているランナーは、走る動作が円滑におこなわれないために、ランニングフォームが安定せず、故障やパフォーマンス低下などの問題を抱えていることが多い。
走動作では接地衝撃を緩和することが重要だ。牧神の蹄(足感覚トレーニングブロック)を4個使って繊細な接地感覚を養い、接地衝撃を緩和できる足にする。
各関節は、趾節間関節、リスフラン関節、ショパール関節、距腿関節などの運動方向を整える。関節の運動に筋肉が作用する状態にする。足底筋群、長母趾屈筋、長趾屈筋、後脛骨筋、長短腓骨筋、長母趾伸筋、長趾伸筋、前脛骨筋などの収縮率を高め関節の可動域を確保する。
骨格のアライメントを適切に配列する。ペアワークで大腿骨と骨盤の深部感覚の入力を実習した。
各骨がもっとも強度を発揮するポジションを入力し、パワースタンスを身に付ける。
Takahiroラボにつづき、ロウギアランニングで接地感覚、股関節の感覚を確認する。
BORN TO RUN 走るために生まれた ウルトラランナーVS人類最強の[走る民族]が話題になってから10年。ベアフットランニングをされている方たちのワラーチは、それぞれのランナーにより、マンサンダル、アサーチなど工夫が見られるようになっていた。
趣味や競技は楽しく、長く続けたい。どのような動作においても運動の基礎を体に備えておくことは大切だ。
自身のランニングフォームの修正に取り組む陸上競技指導者fujitaさんの個人指導をおこなった。fujitaさんの話の中で最も印象に残っているのは、100qマラソンの自己ベストが7時間ジャストだということだ。私は100qマラソンがどのくらいのものなのか知らなかったので驚いたが、後から世界記録は6時間台だと聞いて、上には上があるものだと思った記憶がある。fujitaさんが構造動作トレーニングのセミナーに参加されるようになってからは、ランニングの専門的なことはfujitaさんに教えていただいている。
ちなみに42.195qフルマラソンの世界記録保持者はエリウド・キプチョゲ選手(ケニア)。彼は非公認レースだが、サブ2を成功させている。現時点で理想のランニングフォームとして私の動作解析の指標にしている。
個人指導はあくまでもfujitaさんの体の状態を把握するためのもので、ランニングフォームの修正に役立ててもらえればと考えていた。重心位置と関節運動の感覚をfujitaさんとキャッチボールしながら体の状態を観ていく流れで施術は行わず、感覚のキャッチボールには徒手検査と運動療法をもちいた。
半世紀も陸上競技の世界でランニングフォームを追及している人が、どのような体の状態なのか、私はとても興味があった。結果、現役選手時代の様々な指導、その後の様々な学びが、体を複雑にしているようにみえた。体が複雑化している原因には運動基礎感覚のズレがある。これはトップランナーでも自身で気づくことは難しく、故障やパフォーマンス低下の原因になっていることが多い。今回、fujitaさんのランニングフォームの修正を難しくしている運動基礎感覚のズレを確認できた。また、本人も自分もそのズレを自覚でき、今後の自身のトレーニング及び、陸上の指導に役立てることができそうだということで、よかったと思う。
fujitaさん曰く、「股関節の動きはランニングにとって非常に重要だと思っていますが、一般的にはあまり認識されていないように思います。正しい動かし方を学び、動きのトレーニングとして取り入れる必要があると感じています。 」。
構造動作トレーニング 中村孝宏先生さんに個人指導を受けて感じたこと〜その1
1月の構造動作トレーニング・東京教室の股割りチャレンジは、基本ポーズで中間重心を決定し、股関節の動きを鍛える実習をおこなった。
基本ポーズは、前と上の矢印のベクトルに腕を差し出す。そして、中間重心を決定して、姿勢をまとめる。マウント富士のポーズは、開脚姿勢でベクトル方向に腕を差し出した姿勢だ。
姿勢をまとめ、股関節の屈曲運動をおこなう。
動作術・中島章夫先生の股関節屈曲運動。この股関節の動きは、見た目以上に難解。これは、matawari challenger にとって重要な動作だ。
股関節を屈曲したいが、腰椎椎間関節を屈曲してしまう。これは、やわらかい人の開脚前屈でよく見られる動きだ。床にベターと土の字のポーズになっているのだが、腰が亀のようにぽっこり盛り上がっている。これは体幹を保持するための脊柱起立筋を作用できていない。
股関節を屈曲したいが、大腿が内旋してしまう。いわゆる、膝が内に入ってしまう動き。これは下肢を支持できていない。
股関節屈曲運動をするときの骨格位置は、各骨の形状を理解し、その骨がもっとも強度を発揮する位置をもとめ、骨格のアライメントを配列する。さらに、そのアライメントがもっとも強度を発揮する位置をもとめる。これは、パワースタンス、パワーポジションといわれる姿勢で、股関節がもっとも可動する骨格ポジションなのだ。
股割りは、床へ開脚した姿勢で股関節を屈曲し、開脚前屈をする。開脚姿勢は、床へ骨盤のトライアングルベースが接地する骨格ポジションにセッティングする。いわゆる骨盤を立てる骨格ポジションだ。ブロックを使うとトライアングルベースをとらえやすい。
股割りは動作だ。股関節の実感がない段階では、股関節を自由に動かすことができない。股関節の動きを鍛えることが大切だ。
1月の構造動作トレーニング・東京教室の骨盤おこし講座は、快適な動作をおこなうための骨盤ポジションのセッティングを中心に、股関節の動き、足の動き、骨格ポジションをセッティングする実習をした。
動作をおこなう際は、接地衝撃を緩和することが重要だ。牧神の蹄(足感覚トレーニングブロック)を4個使って繊細な接地感覚を養い、接地衝撃を緩和できる足にする。 そして、地面反力を受け取れる状態に下肢骨をセッティングする。
各関節は、趾節間関節、リスフラン関節、ショパール関節、距腿関節などの運動方向を整える。関節の運動に筋肉が作用する状態にする。足底筋群、長母趾屈筋、長趾屈筋、後脛骨筋、長短腓骨筋、長母趾伸筋、長趾伸筋、前脛骨筋などの収縮率を高め関節の可動域を確保する。足のむくみが強く、関節が思うように可動しない場合は、一本一本の足の指を丁寧に可動させる。
各骨がもっとも強度を発揮するポジションを入力し、パワースタンスを身に付けるための深部感覚のペアワークをおこなう。
深部感覚のペアワークをおこなう際は、感覚の順応について理解しておきたい。持続的な刺激は、しだいに弱く感じるようになる。これを感覚の順応という。順応の程度は、感覚器の種類によって異なる。たとえば、触覚や嗅覚などは順応が速く、痛覚は順応が起こりにくい。
ペアワークの互いの関係性は、感覚を拾う側とサポートする側。重さを借りる側と重さを貸す側。ペアワークは互いの関係性を明確におこなうことが大切だ。
深部感覚は、意識に上がらない体の中の感覚の流れ。その骨格ポジションによる骨の強度、安定感などから深部感覚を味わってみよう。