10/23-10/24埼玉・東京「構造動作トレーニング」のレポート。
スタートは初埼玉から。東京駅からJR上野東京ラインでさいたま新都心駅で下車。さいたまスーパーアリーナ内のNHKで「骨盤おこし」講座。
参加者は、男性二人のみ。女性の圧倒的なパワーの中、カラダの基本的な構造としくみの解説からはじめました。そして、股関節の位置を覚えたところで骨盤をおこす動作の練習です。「一人一人骨盤をおこしてもらえるかと思った?」という意見がありました。骨盤矯正のイメージでしょうか。骨盤を後傾させているのは自分、それに気づいたのなら骨盤をおこすのは自分しかないことがわかると思います。仮に骨盤を矯正して一時的に骨盤が起きたとしても深部感覚(位置覚)がともなわなければ、一瞬にして元通り。受け身の考え方から、攻めの考え方でカラダの構造にあった骨盤ポジションを訓練することが大切です。脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニアなどの診断を受けている参加者が何人かおられましたが、「痛みとはどのようなものなのか?」ということをしっかり勉強し自覚すれば、治療自体はそれほど難しくないと思います。ぜひ、快適な動作を心がけてください。
「骨盤おこしエクササイズ」
あなたの骨盤はおきていますか?
骨盤が寝ている(後傾している)
といつも重荷を背負っているようなもので、膝や腰に負担がかかります。また寝ている骨盤は猫背の原因です。猫背は呼吸を浅くし、内臓の働きも悪くします。骨盤をおこせば身体は軽くなり股関節が働き出します。股関節が動けば足も動き出します。骨盤がおきれば背骨も頭も本来のポジションに積み上げることができます。骨盤おこしエクササイズが求めるのは立ち止まっている良い姿勢ではありません。楽々と動くための姿勢です。どれも日常生活の中で無理なく取り組んでいただけるものばかりです。骨盤をおこして眠っていた身体を目覚めさせましょう。
埼玉を後に茅場町の会場へ。この日は、ドイツから帰国した中井理惠先生のダンス世界大会のお土産話から。動きのいい選手とは何がいいのか。ラボでは滑らかな重心移動の軌道を考察、実習しました。重心移動はカラダという組織がいかに位置を変化させるかということが重要。それには、四肢と体幹のつながりを保って動くことが第一関門になります。体幹とのつながりを保ちながら腕を出すというワークをおこないました。かなり苦戦しますが、カラダの基本的な構造は押さえておかなければ、滑らかな重心移動へつながりません。基本、型、形式、をおろそかにしては先へ進むことができないのです。仮にできたと思っていても見る人が見れば「動きの質」は誤魔化すことができません。ぜひ、世界のジャッジをうならせてください。
翌24日の朝一は青山。「骨格ポジショニング講座」第1回目のテーマは「痛みとは何か?」。用語の整理、骨格位置の確認、重心位置の決定方法を実習しました。どの講座でも股関節の位置を確認していますが、身体が硬いという方のほとんどは、股関節の位置を誤解している、わからない、感覚が鈍くなっている、などの理由で動かすポイントを見失っています。ぜひ、知識と実感を擦りあわせて滑らかで快適な動作を心がけてください。
次回は「カラダをスムーズに動かす(関節運動)」です。
動くカラダを手に入れよう!
骨や関節、それを動かす骨格筋等を精細に見直すことで、ストレッチや特別な筋トレをしなくても、本来の身体能力が回復し、「動き」は劇的に変わってゆく…これが「骨格ポジショニング」の目指すところです。具体的には、足裏の接地、足首・ひざの曲がる角度、骨盤の角度、股関節の動き、腕が唯一体幹とつながる胸の関節、頭のポジションなど…これらを体に沁み込ませていくための新メソッドを、講座の中でご紹介します
青山から中央区の会場へ移動。骨盤の骨の強さを発揮するポジションにおいて「頑丈な骨盤」を体験し、地に足をつくこと、身動きできない立ち位置からいつでも動き出し可能な立ち位置への転換、カラダをコントロールすること、などを実習しました。動作の不安要素は心へ反映されます。その積み重ねは大きな不安要素になり、さらに動きの悪循環を生みます。ヒトのカラダはやわな作りをしていません。もし、「ガラスの腰」というようなイメージをもっていたとしたら、それは勉強不足です。知識がないことも大きな不安を生むということです。慣れない仕事、運動をしたからカラダが痛い、もともとカラダが硬い、やわらかければ痛みが出ないなど、思い込みはすべて大きな不安へとつながります。ぜひ、知識と実感でカラダを賢くして快適に過ごしましょう!
夜は新宿へ移動。「股関節ポジショニング」講座は、股関節を滑らかに動かすためのいくつかの条件を踏まえ実習しました。「股関節周りの筋肉が硬いから滑らかに動かせない」と思い込んでいる方が多くみえます。当然、専門家でもなければ知識もありませんし仕方ありません。まず、思い込みを消すための知識、考え方の整理が必要です。「筋肉をゆるめる、ほぐす、やわらかくすること」と「股関節を動かすこと」は別の話です。筋肉をゆるめたからといって股関節を動かせれるようにはなりません。股関節を滑らかに動かすためには動きの訓練をするしかないのです。それから、レントゲン画像で股関節の屋根が少し短く映っていたとしても、痛いことと動きがぎこちないこととは関係がありません。動きは、「動きができるか、できないか」ということで判断することが大切です。最終は股割りに挑戦してもらいました。やわらかい方も硬い方も骨盤を立たせることができません。まずは、股割りで可動域を稼ぐよりも骨盤を立たせる訓練が重要です。ということで、開脚+足指で股関節が軽いという実感を得て終了しました。
「本当に動く身体」をゲットする! ――股関節ポジショニング
「鍛える」から「目覚めさせる」へ――。
日常の動作や競技でのパフォーマンスを高めるには、筋トレに励むよりも、ふだん使われていない骨格筋や身体の深部感覚を目覚めさせることの方がはるかに重要です。
この講座では身体の動きの要となる股関節に焦点を当て、股関節を自在に動かすための感覚・筋肉に刺激を与え覚醒させてゆくトレーニングを実践します。
股関節は他の関節と違い、単なる曲げ伸ばしだけでなく、外転/内転、外旋/内旋など複雑な動きが可能な関節。これを立体的に動かすことができれば、身体のパフォーマンスは飛躍的にアップするはずです。講座の最後では、難度は高いけれども効果抜群の「股割り」にチャレンジしてもらいます! (講師記)
股関節が軽い、足が軽く動かせる、ということを体感することは簡単ですが、股関節を滑らかに可動を増すためには動きの訓練を積み重ねることが必要です。