10/15-16 構造動作トレーニング・東京教室

10/15-16 構造動作トレーニング・東京教室

10/15-16 構造動作トレーニング・東京教室

10月の構造動作トレーニング・東京教室は、所有感覚(深部感覚)、股割り、takahiroラボ、構造動作トレーニング入門の順で実習をしました。今回は、いつも、夜の時間帯におこなう股割りトレーニングを夕方の時間帯に行いました。夜に参加できずにいた方たちには、ようやく参加できました、と喜んでいただいたようです。構造動作トレーニングは、足の土台を安定させ、姿勢の中に骨格を入れて、体の運動と感覚の循環を良好にします。


執筆:中村考宏

柔道整復師、鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師。2020年三重県桑名市多度町にえにし治療院を開院。股割り歴20年、MATAWARI JAPAN 代表。パーソナルトレーニング。著書「骨盤おこし」で体が目覚める(春秋社)、趾でカラダが変わる(日貿出版社)、他多数。メディア「anan」「クロワッサン」「Tarzan」などで「骨盤おこし」「足指」を紹介。NHKテレビでコロナ禍の運動不足解消エクササイズを紹介。プロフィール詳細

足のMP関節と立方骨をとらえて体の土台をつくる

講座に参加している猫派さんが「私はニワトリ」という記事を書いていました。これは、足関節の背屈が不足している状態で動作をおこなっている足を私がニワトリに例えました。

牧神の蹄、MP関節と立方骨

足関節の背屈の不足を解消するためには、普段おこなっている牧神の蹄トレーニングを丁寧におこなうことを心がけることが大切です。まず、前方ブロックはMP関節、後方のブロックは立方骨を接触することが重要ポイントです。牧神の蹄をつかんで歩きたい、という気持ちは理解できます。しかし、足関節の背屈が不足しているとニワトリみたいな歩き方になってしまいます。中足骨、足根骨、脛骨・腓骨のつながりを身に付けて背屈の不足を解消することが必要です。

足の指の感覚が薄い場合は、足とブロックの接触ポイントがずれてしまいがちです。足が適切にブロックと接触している場合は、足のMP関節が綺麗にでるはずです。MP関節と立方骨を確実にとらえることが大切です。

つづいて、足の末節骨はブロックの縁をとらえます。遠位趾節間関節の屈曲ができていないことが多いので、小指と薬指の末節骨が縁をとらえているか、要チェックです。

牧神の蹄を使って足の巧緻性をトレーニングする場合は、足の小指と薬指からブロックに足をあわせて、積み、降ろしをおこないます。使い慣れた親指や人差し指を使ってしまう場合は、力任せにブロックをつかむ運動になりがちなので、足をブロックに合わせる感覚を身に付けることが必要です。

爪先立ち

足の指の運動と足関節の運動を連動して、足の背屈の不足を解消します。爪先立ちをする場合は、足の指の捉えが必要です。足の指とは末節骨です。そして、指の関節の運動方向と足関節の運動方向をそろえて、爪先立ちができるようにします。感覚と運動の循環が良好な足の状態で履物を履きこなすことができていたら、足はやわらかく綺麗な状態を保つことができます。外反母趾や魚の目、タコ、踵のガサガサなどは、足の感覚と運動の循環が良好でないサインです。正しいトレーニングを心がけてください。

ハイヒールを履きこなし綺麗な歩行動作を身に付ける

ハイヒールを履く人でハイヒールトレーニングをしている人はどれくらいいますでしょうか。ハイヒールを履いて、ウォーキングをしたり、ダンスをしたり、するのには、ハイヒールを履きこなせていることが、前提にあります。ハイヒールを履きこなせていない場合は、足の親指が外反母趾に変形したり、膝が曲がっているように見えてカッコ悪かったり、後重心の姿勢で動作をぎこちなくしてしまいます。そうすると、不安定な接地で動作をすることにより、膝や腰、肩など体のあちこちに負担がかかり、体の故障や不調が絶えません。

ハイヒールを履いてウオーキングレッスンを受けていても、皆が一様に上達するわけではありません。これは、体の機能状態、動作の方法に個人差があるからです。歩いていると左に偏ってしまう、右足が開いてしまう、背中が綺麗にみえない、などは、ウォーキング技術というよりも、むしろ体の状態や動作方法に原因があります。それには、体の治療、メンティナンス、運動療法など、体の状態に必要なことをおこない、そしてシンプルな歩行動作を身に付けるということが必要です。

スポーツ競技に必要な実践的な股関節運動のトレーニング

10月の構造動作トレーニング・東京教室の股割りトレーニングは、野球、ゴルフ、サッカー、ランニング、卓球、クラシックバレエ、ダンスに必要な実践的な股関節運動を獲得するための実習をおこないました。実践的な股関節運動というのは、適切な筋肉が股関節の運動に作用する股関節運動ということです。股割りトレーニングをストレッチや柔軟体操感覚でいる人が多いですが、トレーニング感覚としては動的な筋トレ感覚です。筋肉は収縮して関節を可動させ、力を発揮するものなので、股関節の各器官が作用する状態にしなければなりません。股割りはストレッチや柔軟体操の理論とは異なるトレーニングなのです。

股関節 hip joint

股関節は英語でhip joint といい、お尻の関節です。股関節の運動が実感のない状態では、hip joint と真逆の鼠径部を股関節だと勘違いしがちです。正しく解剖学を理解し、トレーニングをおこなうことが大切です。

股割り

実践的な股関節運動を獲得するためには、足指、膝、骨盤、手指、肘、胸郭、頭の骨の配列、関節運動の方向、筋肉の作用を適切にトレーニングしなければなりません。一人でトレーニングをしていると、気づかないことが、第3者の視点を通すことで、新たな気づきがあるものです。

子供たちにも体験させたいと、親子で参加のお父さんは、自身がやる気満々でした。これは、お子さんにとっても、身近に良いお手本がいる環境で成長を促すでしょう。

親子は初参加の股割りトレーニングでお父さんもお子さんもロールオーバーに挑戦しました。凄いです!

一般の方で股割りは痛みを伴うトレーニングだとイメージしている人が多いと思います。これは、正しい解剖学と運動学の知識を得て、体の各パーツを適切に使いこなすことができるようになれば、股関節を実感でき、股割りが痛みを伴うトレーニングではないことが理解できるはずです。

好きなスポーツを故障なく、楽しく取り組むことができる体づくりを心がけてください。

スクワット

10月の構造動作トレーニング・東京教室で格闘技をされている方から、スクワットのリクエストがありました。格闘技のトレーニングでスクワットをするそうなのですが、リラックスをして円滑な動作をおこなうことができないとのことです。構造動作理論に基づくスクワットは、しゃがむ動作をできるようにするための訓練です。円滑なスクワット動作をできるようにするための順序は、まず、しゃがむ動作をできるようにする、そして、股関節・膝関節・足関節の運動方向をそろえて重力に逆らわずに落下できるようにしていきます。円滑なスクワット動作をおこなえない場合は、まず、しゃがむ動作を正確におこなえるようにすることが必要です。

しゃがむ動作は、股関節・膝関節・足関節の運動方向を揃えて、各関節を屈曲する動作です。しゃがむ動作を円滑におこなえない場合は、膝関節の屈曲をメインに動作をおこなっていることが多いです。そのため、重心移動を円滑におこなえないばかりか、膝関節に多大な負担をかけてしまいます。格闘技に限らず、ランニング、スポーツの各競技においても、ハーフスクワットの姿勢は、パワーポジション・パワースタンスとして重要な動作なので、スクワットトレーニングを正しく理解してトレーニングすることが大切です。

フルスクワット

フルスクワットは、お尻を後方に落としてはいけません。お尻を落としてしまうと、腰椎が屈曲し、体幹をキープできません。フルスクワットは、股関節・膝関節・足関節の運動方向を揃えて、各関節を屈曲し、体幹をキープして、動作をおこなえるようにします。

スクワットは重力に逆らわず、重心を真下に落とす動作です。スクワット動作をするときに膝関節の屈曲をメインに、お尻を後方に引いてしまう動作をおこないがちなので、重心移動の方向感覚を身に付けることが大切です。

スクワットのペアトレーニングは、サポート側が難しいと思います。サポート側は、スクワット動作を正確におこなえるようにし、重心移動を誘導できるようにする訓練が必要です。

正確なスクワット動作ができているか、というのは、できる人に見てもらうのが良いのですが、一般の方が目安にするのであれば、体が真っ直ぐな状態を保てていることが目安になります。例えば、外反母趾などの足の変形がないこと、O脚やX脚など足の変形がないこと、猫背でないこと、肩が巻いていないこと、などです。これらは、足関節・膝関節・股関節の運動方向を揃えて、体幹をキープして、動作ができていない証拠です。

また、スクワット動作をするときに、接地圧を一定に保てているか、ということが目安になります。

スクワットはシンプルな動作ですが、正しい動作を身に付けるのには、かなりの訓練が必要になります。焦らず、トレーニングをすすめてください。

【動画】構造動作理論に基づくスクワット

深部感覚ペアワーク

10月の構造動作トレーニング・東京教室「所有感覚メソッド」と「構造動作トレーニング」で深部感覚ペアワークを実習しました。深部感覚ペアワークはサポートをしてもらい、自らの運動で生じる体の内部の感覚を拾い、体の中に循環する無意識の感覚の流れを良好にするトレーニングです。このトレーニングの概念をサポートする側、サポートを受ける側が正しく理解することが大切です。

サポートを受ける側は、中間重心を心がけ、骨格の並び、骨の強度を手応えに、体の内部の感覚に集中します。

サポートをする側は相手の骨格を的確にとらえ、フィット感覚を得られるようにします。サポート側の接触不良で、手押しの状態で力みが集中すると、相手が体の内部の感覚に集中できなくなるので、サポート側も適切なポジションを身に付けることが大切です。

立位でおこなう深部感覚ペアワークは、安定した接地が欠かせません。不安定な接地の状態では、体の内部の感覚に集中できません。サポートを受ける側もサポートする側も、接地が不安定な場合は、接地の状態に必要な足指トレーニングをおこなって、安定した接地を心がけてください。

サポート側が相手に接触する場合は、手の広い面でフィットさせます。上手くフィットさせれない場合は、手の機能が低下している可能性があります。自分の手の状態に必要な手指のトレーニングでフィットさせれる手をつくってください。

体の力みが強いタイプの人は、深部感覚が低下している可能性があります。力みにもいろいろな原因がありますが、骨格の崩れが原因の力みは、姿勢の中に骨格を入れて、内部の無意識な感覚の流れをとらえることができるようにし、抜くようにしてください。

ランニングをされている方は、胸鎖関節、腕橈関節を理解し、各関節の運動方向に添った、軽い腕振りを身に付けてください。

長座

10月の構造動作トレーニング・東京教室「Takahiroラボ」でカヌー競技をされている参加者の長座のポジションを検討しました。長座は、両足を伸ばして座ります。そのとき、骨盤のトライアングルベースで床をとらえることが大切です。

カヌーの選手は背中が丸まっている選手が多いそうです。背中が丸まっていると、手足と体幹がつながらず、力の流れが半減するので、正確に長座のポジションをとることが大切、とのことです。

骨盤のトライアングルベースを床に接触させてポジションをとるには、坐骨結節が後方を向いていなければなりません。

まずは、股関節の位置を明確にしなければなりません。長座になったとき、自分の股関節は何処にありますか?そして、股関節で骨盤の位置を調整し、トライアングルベースで床をとらえることができるようにしていきます。

体がやわらかい人でもトライアングルベースで床を捉えきれていない人が多いと思います。坐骨結節が後方を向いているかの確認が必要です。

構造動作トレーニング

構造動作トレーニングは、骨格、筋肉、関節、感覚を統合し、神経系統を構築することを目的とするトレーニングです。

構造動作トレーニング・東京教室

第3日曜日(+前日の土曜日)
運動の質を根本から変える構造動作理論に基づくトレーニングを指導します。

構造動作トレーニング・パーソナルトレーニングをご希望の方

当院では、体の不調や故障を改善するための治療、健康増進やパフォーマンスアップのための施術をしています。ひとりひとりに最善のサポートができるようこころがけていますので、症状や気になることをできる限りお知らせください。また、遠方から来院される方や集中的にみてほしい方には個人指導・パーソナルトレーニングをしています。小学生からシニア、アマチュアからプロスポーツ選手までサポートさせていただいています。ご希望に応じて、再発予防、健康増進、パフォーマンスアップのトレーニングを指導しています。トレーニングは、ひとそれぞれ体の状態が違いますので、体の状態に必用な内容を指導しています。当院はコロナ対応で業務をおこなっておりますのでご協力のほどよろしくお願い致します。

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