9/11名古屋「構造動作研究会」のテーマは「くび・頸椎」でした。
姿勢を保持するには四肢・体幹の深部感覚(固有感覚系)、前庭迷路系、視覚系からの情報の中枢統合が必要です。γループ(ガンマループ)、緊張性頸反射の仕組みを確認し、頚部後面に付着する筋肉の解剖学的特徴とあわせてリハビリトレーニング実習を行いました。
姿勢保持には種々の調整機構が関与します。アスリートに限らず、日常生活においてつまづいたときに転ばないように姿勢を立て直す反射をはじめ、高いパフォーマンスのためだけではなく身を守るためにも質の高い姿勢反射を備えておくことが大切です。
姿勢保持において重い頭の扱いがポイントになります。たとえば、緊張性頸反射の受容器は頚部の関節や靭帯にあります。頚部は頭を支えるのにも、受容器としても機能状況を良好にしておくことが大切です。しかし、頭痛、めまい、寝違い、むくみ、凝りなど頚部に症状や違和感をうったえる方が多く頚部の状況が良好とはいえません。質の高い姿勢反射を備えておくためにも、快適に日常生活を送るためにも、頚部の質の高いリハビリトレーニングを目指したいと思います。
脊柱の形状を見ながら生理的湾曲について検討しました。そして、第1頸椎(環椎)、第2頸椎(軸椎)、第7頸椎(隆椎)の特徴、および第6頸椎と第7頸椎の鑑別方法、運動方向など細かく頸椎を探りました。
▲日本人体解剖学第一巻(南山堂)著 金子丑之助
頚部後面に付着する骨格筋の解剖学的特徴はスライドを見ながら運動解剖学へと発展させました。
胸鎖乳突筋、僧帽筋、菱形筋、上下後鋸筋、頭板状筋、頚板状筋、腸肋筋、最長筋、多裂筋、頭半棘筋、頚半棘筋、後頭下筋群など。
頚部後面に付着する筋肉で、まずは機能回復をしたい頭板状筋と頭半棘筋。
▲骨格筋の形と触察法(大峰閣) 著:河上敬介、磯貝薫
頭板状筋と頭半棘筋はボリュームのある筋肉で頚部後面を埋めている。
▲骨格筋の形と触察法(大峰閣) 著:河上敬介、磯貝薫
表層の筋肉に続いて後頭下筋群、多裂筋のリハビリトレーニングへとすすめる。
▲骨格筋の形と触察法(大峰閣) 著:河上敬介、磯貝薫
リハビリは深層筋をゆるめて終了ではなく、深部感覚(固有感覚)を取りもどして完了です。