ヨーガと構造動作トレーニング
構造動作トレーニングに興味を持たれる方の中にはヨーガをされている方が多くいらっしゃいます。本格的なものから健康ヨーガ的なものまで実に幅が広く、カラダが硬いのでヨーガのポーズが難しい、腰痛などカラダの痛みがある、開脚ができるようになりたい(やわらかくなりたい)という理由で興味を持っていただくようです。
ヨーガ とは、古代インド発祥の修行法。アーサナ(asana,姿勢)や、プラーナーヤーマ(呼吸法)のみを重視する健康ヨーガ的なものや、瞑想による精神統一を重視するものなど様々である。狭義には、六派哲学のヨーガ学派から始まった、解脱、すなわち個体魂の神への結合を実現するための実践体系を指す。ヨガとも表記される。なお、ヨーガは現代人の生活に入り込んでおり、洞窟潜水などにヨーガを取り入れているダイバーもいる。最近ではヨーガを取り入れるスポーツクラブもあるが本格的なヨーガとは似て非なるものも多い。【wikipedia ヨーガ】
ヨガ教師のPaddy McGrath(パディー・マッグロー )さんからヨーガは修行だということをうかがっていたので、本格的なヨーガとは似て非なるものも多いというのには驚きです。彼女は構造動作トレーニングから新しい足の形を発見し、足のムドラ(ヨガにおける印や象徴で、主に手で表現される)と名づけました。おそらく構造動作トレーニングの骨格ポジショニングはアーサナに通ずるのでしょう。
私自身がトレーニングをするのは修行のようなもの
構造動作トレーニングには深部感覚のメソッドがあります。これは内部感覚を目覚めさせるものですが、もともと無理な開脚ストレッチングのアクシデントで私自身の右足の感覚を失ったことがきっかけでリハビリした方法です。壁をぶち破ったということで経験値が上がったわけですから一つの試練をクリアしたというところでしょうか。その後も度々試練がありましたがなんとか持ちこたえています。(やっぱり修行だなw)
感覚を失うというのは目を閉じると目の前が暗くなるようなことです。これは視覚による外部情報が遮断され、外部と自分(内部)の境がなくなるということに似ています。深部感覚メソッドは「無」を「無意識」にするための訓練といえます。つまり、真っ白なキャンパスに自分の輪郭を描くようなことです(外部と自分(内部)の境を描く)。それを立体的な彫刻のように重さを与え、運動と感覚を与え、自分という存在に確証を得るのです。まだまだ私自身、自分のことが分からない。それは、自分のカラダの各パーツ、関節の運動方向、骨格筋の連動...など、など数多くの課題があります。それを一つ一つクリアしていけば、私自身の意味というのが、もしかしたら分かるかもしれないのかと期待しながら修行に励んでいるといったところでしょうか。
奏者と調律師になる
リハビリやトレーニングは奏者になるため、あるいは奏者に復活するためにおこなっていることが多いかと思います。構造動作トレーニングでは同時に調律師を育てます。自分の音色がわからない人、自分の音色が好きな人、嫌いな人もいます。自分の音色がわからないという人はもしかしたら感覚が薄くなっているのかもしれません。嫌いという人は、本当の自分の音色を理解していないのかもしれません。実は私も自分の音色が好きなのかかどうかよくわかりません。ということは、自分の音色がわからない人に近いのです。自分のカラダにはリズムというものがあります。リズムというのはテンポとビートを総称したものだと考えています。カラダの中には呼吸、心臓の拍動、筋肉の収縮など様々な音、テンポ、ビートが存在し自分というリズムをつくっています。そして、中にはノイズという耳障りな音が混じっているかもしれません。リハビリやトレーニングというのはこれらを調律していく作業だと考えています。そして、調律がすんだら重要な作業があります。それは、奏者としてカラダの動きを確かめることです。中にはトレーニングが趣味で汗を流すことに喜びを得ている方もみえますが、構造動作トレーニングは、リハビリ・トレーニングですので動作に音(感覚と運動)を落とし込みます。
カラダが硬くヨーガのポーズが難しい、痛いというのは深部感覚が鈍い
私の出会ったヨーガ指導者たちがたまたま僧侶だったり修行者だったのかもしれませんが、私のヨーガの印象は「静かに内部環境へアプローチ」というものでした。実際には、アクロバティックなポーズを求める人やストレッチ効果を求める人などが多く、確かに「本格的なヨーガとは似て非なるものも多い」というのはそうなのかもしれないとおもいました。それだけ、ヨーガが世界に広がり普及しているということでしょう。ともあれ、構造動作トレーニングに興味を持たれた方には骨格ポジショニング、深部感覚メソッドをおススメします。カラダを壊すことなく綺麗なポーズをするには、カラダの各パーツが動くべきところから動き、空間の中で自分を認識できることが大切です。ぜひ、静かに内部環境をアプローチしてみてください。
呼吸法の取扱に注意
一般の健康ヨーガでも呼吸法をかなり行う方がみえるようです。呼吸の浅い女性が多いように思います。呼吸が浅いというのは、胸郭に十分な動きが見られないということです。呼吸機能が不十分な状態で呼吸コントロールをつづけるよりも、呼吸機能そのものを見直し、無意識に腹式呼吸ができるカラダの状態にリハビリトレーニングするのがよいと考えています。やはり呼吸は生命を左右するもの、無理な呼吸コントロールでカラダを壊さないように注意してください。