2016まとめ・臍下丹田からの脱皮
2016年12月31日、いよいよ2016年も終わり。なんだか周りは一層せわしい感じがする。私は個人指導の約束にあわせて、いつもと変わらない日々を過ごし、2017年も元旦トレーニングからスタートする予定。
本年は夏に「深部感覚から身体がよみがえる!」(晶文社)を刊行してからというもの、構造動作トレーニングが一層深みを増したように思う。10年前に骨盤おこしトレーニングで表現しきれていなかったことが明快になってきた。
理屈も大事だが、実際の動作ができなければ意味を成さない。私は、その人の知識以上に接地や腰の位置など体と動きをみるようにしている。個人指導を希望される方は真面目に勉強されている方が多い。しかし、実際の動作につながっていないことの方が多い。それは、体よりも頭で考え過ぎて深部感覚が活性化していないから。体を動かしながら内部環境について勉強することが大事なのだ。
構造動作トレーニングのポイントはフラット接地と腰椎の生理的前弯を保持して動作をすること。これは、基本動作のしゃがむ(スクワット)でチェックすることで難しさがわかるはず。まともにフル・スクワットできる方は非常に稀である。ほとんどの方はそこまで基本動作を事細かに考えたことがない、という。マンツーマンだからわかることが、この一年は詳細になってきた。しかし、ほとんどの方は圧倒的に実技が不足しているから、もっと自分に集中してトレーニングすることが大切だ。
フラット接地と腰椎の生理的前弯を保持して動作をするためには、足指の接地感覚が敏感、多裂筋が収縮できる状態にあること。今年は足指トレーニングブロック「牧神の蹄」が大活躍した。普段、足指の感覚と運動の不足をここぞとばかりに意識してみると思わぬ気付きを得た方が多かった。そして、足指から股関節への連動へと発展し、四肢骨の支持性を高めると共に体幹の骨格位置を整えた。骨格筋は、起始停止部が整うことで筋の力をもっとも発揮することができる。しかし、多裂筋への道のりは遠かった。
体と動きは1つの基本動作を深く練っていくことで見えてくることが多い。そのような基本動作が2つ、3つと増えていくことで視点が変わり、股関節をはじめとする各関節の自由度を高めることができるのだ。今年は、股割りを深く練っていくことができ、新たな発見が多かった。
先日は開脚で恥骨結節と下腹がつくようになった練習生とロールオーバーの練習をした。股関節を回転して外旋から内旋に切り替えるだけの力が足りない。この力は腹圧である。当然、多裂筋の収縮が必要になる。臍下丹田が充実しているのならばロールオーバーができる。もしかしたらロールオーバーくらいのことでは、まだまだ腹ができたといえないのかもしれない。新年も引き続き腹のその先を見ていきたいと思う。
2016年にご縁のあった方々へ、ありがとうございました。私はまだまだ進歩できる可能性を見出しました。2017年も自分の可能性を見据えて楽しんで過ごしたいと思います。どうぞ、来年もよろしくお願い申し上げます。