健康法ではない『鍛錬』としての股割り
ゼロからのヒップ・ジョイント(hip joint)発進!
私自身の股割りトレーニング状況(2015年4月1日)。最近は股割りトレーニングの前に深部感覚ルーティーンを入念に行っている。昨年から深部感覚の指導が増えて私自身の内部感覚の厚みが増したせいか、股割りトレーニングの内部の様子が興味深く見れるようになってきた。そのため深部感覚と股割りを組み合わせておこなうようになった。もう、10年以上も股割りに取り組んでいるがまだまだ知らないことばかりである。ストレッチングなどは外部からの刺激で変化を待つが、構造動作トレーニングの股割りは内部に生じた刺激を拾うことでもたらされる変化を求める。
≪私の股割りトレーニング≫
- 股関節の深部感覚を厚くする
- 股関節動作、股割りの実践
- 股関節動作を日常動作に転換する
実際、10年以上股割りに取り組んでいるから効果をたくさん得ているわけだが、常に真新しい気持ちで股割りトレーニングに励めることはとても不思議に思う。それは、深部感覚の「セット!」という上書きが常にカラダを最新バージョンに書き換えることが理由にあるのかもしれない。
股割りの内部を観察してみる
私は股割り動作で足の指先から股関節、カラダ全体の内部の動きを観察している。すると右足関節の底屈時、長趾屈筋の収縮が薄いことに気づく。これは、軸足、利き足、過去の外傷などを理由に置き換えることができるが、せっかくトレーニングをするのだから苦手ということを認めて苦手でなくなるようにトレーニングをすすめている。結局、実践しやり尽くしてみないと本当の理由がわからないのだと思う。
≪股割り内部のチェックポイント≫
- 骨格ポジション:大腿骨、骨盤、脊柱、上腕骨、頭蓋骨etc
- 関節の運動方向:足関節、膝関節、股関節、脊椎椎間関節、顎関節、胸鎖関節、腕橈関節etc
- 骨格筋収縮:長趾屈筋、前脛骨筋、ハムストリングス、腸腰筋、広背筋、後頭下筋群etc
- 動きの連動:重心移動etc
股関節のメカニズムを追及する
私が股割りに関心がある最大の理由は教科書では学びえない『最強の股関節』を知ることができるトレーニングであること。
≪股関節のチェック≫
- 股関節の回転力
- 股関節運動の軌道、方向
- 股関節と骨格筋の連動
- 股関節と肩関節、胸鎖関節の連動
- 股関節と痛みのメカニズム
股割りは『鍛錬』である
股割りは多くを学ぶことができ多くを得ることができるが、敷居が高い。なぜならば、股割りは『鍛錬』であるから。私は股割りを健康法としてではなく鍛錬として取り組んでいます。
鍛錬:きびしい訓練や修養を積んで、技芸や心身を強くきたえること。「精神を―する」
▼鍛錬イメージ画像(モデル:高橋強)
治療士としての股割りトレーニング
ある競技の方が、股関節の動きを求めて全国の指導者を渡り歩いた。だが、知識は豊富でも何かが足りないと感じた。それは指導者が実感しているかどうか、ということだったそうだ。そして、机上論を振りかざされても実際に目の前でお手本(実践)を示してもらわないと納得がいかない。という、相談を受けたことがある。まだ、私が治療士として駆け出しのころだったからその方を痛みから解放することも股関節の動きを納得させることもできなかった。そんな経験から、私は未だに股割りに取りつかれている。今ならどうなのか?まだまだなのか?時折、思い出す。