気力とリラックス

股関節の可動を広げるには?「気力」を充実させて動くこと

リラックスと脱力

構造動作トレーニングの「股割り」は、股関節の外転・外旋から屈曲の可動を滑らかにする動作訓練です。股割りは、自分ができない動作をできるように訓練するのですから、気持ちの張りをやわらげることはしません。そこがリラックスや脱力をして行うストレッチとの違いです。

リラックス(relax)
[名](スル)くつろぐこと。ゆったりした気分になること。「部屋着に着がえて―する」

 

だつ‐りょく【脱力】
[名](スル)からだから力が抜けて、ぐったりしてしまうこと。また、意欲・気力が衰えること。気持ちの張りがなくなること。「―感」「下肢―」「頓珍漢な受け答えに―する」

 

(引用 デジタル辞書)

股割りは気力を養う

股割りは、動作とともに気力を養う訓練です。

股割りは、気力を充実させて一連の動作をおこない、リリース時にリラックスします。

これは、気力を保ち続けるということが想像以上に大変、或いは、気力を奮い立たせることに精神的疲労を伴うからです。「気力とは何か?」ということを文章で表現できませんが、まず気力を充実させることができないと股割りにチャレンジすることすらできません。股割りに取り組んでどれほどの人の気持ちが萎えてしまったでしょうか。気力を充実させて、保ち続けることが難しいのです。

 

深部感覚

なぜ、股関節の外転・外旋・屈曲を滑らかに可動できないのか?

それは、自分が自分の身体を普通にコントロールできないからです。コントロールできない理由としては、普段の動作でそれほど股関節の可動を必要としないために運動感覚が鈍くなった、股関節の仕組みを知らず、以前怪我をした、筋肉が硬い、など何らかの理由で、股関節の大きな可動をできないと思い込んでいる、などです。

≪股関節をコントロールできない理由≫

  • 運動感覚が鈍くなった
  • 股関節の仕組みを知らない
  • 身体が硬いという思い込み

そのために、股割り動作をおこなうと緊張が生じ、股割り特有のうめきたくなるような苦痛や攣りそうになる筋肉の身震いなど、コントロールの不十分さを実感するのです。そして、この苦痛に耐えることができずに、どれほどの人の気持ちが萎えてしまったでしょうか。しかし、股関節に限らず動作を滑らかにするためには、動作に慣れて、動作を滑らかにおこなえるよう訓練するしかないのです。

股関節を滑らかにする

この股関節を滑らかに動かすためには、身体の構造上の条件を整え、できないという思い込みを消さなければなりません。身体の構造上の条件を整えるというのは、鈍くなっている股関節の運動感覚が厚くなるための適切な機能状態にすることです。この機能状態が不十分なままで動作を行うことにより身体に緊張が生じます。また、できないという思い込みは、精神的な緊張として身体をこわばらせます。これらの緊張は、滑らかな動作の妨げになるのです。

股関節の機能回復

股割りは、身体の構造と精神面からの妨げを動作の中で開放していきます。それは、静止している状態で緊張をやわらげることが、動いている状態の緊張をやわらげることにつながらないからです。例えば、股関節の運動感覚が鈍った状態の人が、精神的にリラックスできたとしても身体の構造による緊張をやわらげることにはなりません。運動感覚が鈍った状態には機能回復が必要なのです。

股割りという基本動作

股割りは、自分がまだできない股関節の外転・外旋・屈曲という基本動作の訓練です。ですから、股割りをはじめたばかりの時は、ほとんどの人が身体を緊張でカチコチにしています。しかし、股割りでは緊張をやわらげることはしません。それは、動作を練ることにより、緊張が生じない股関節の動きを獲得したいからです。そして、これまで可動させることができなかった股関節の領域を越えると、その範囲内の股関節の動きでは緊張が生じなくなります。これが、股割りの股関節運動の訓練です。

気力を充実させる

自分ができない動作の緊張は、動作の中で開放します。それは、リラックスや脱力でやわらぐ緊張と質が異なるのです。リラックスは自分ができる状態を保つため、脱力は自分が動く術を失った状態だと考えられます。股関節を滑らかに動かすためには気力を充実させて臨でください!

 

 


 
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